石破茂会長石破 茂 です。

1月31日に、天皇陛下のご譲位についての私の考えを掲載させて頂きました。ご覧いただいた皆様、ご意見をお寄せいただきました皆様、誠に有り難うございました。

自民党内における議論は役員会の限定されたメンバーで粛々淡々と進んでいくのかも知れませんが、昨年8月8日の天皇陛下の「おことば」を熟読するほど、また旧皇室典範や現行皇室典範、様々な立場からの多くの論説を読めば読むほど、この問題の持つ重要性と緊要性に気付かされます。

陛下の「おことば」があったときは大きく報道がなされましたが、その後の国民的な議論が静かな状態で推移しているのは、「全国民の代表者」である私たちの理解や国民への語りかけが足りないせいかと思っています。今週東京の何か所かで行った講演の中でこの問題に触れた時、それぞれの方のご意見はともかくとして、確かな反応がありました。

畏れ多いことであり、国民的な議論にもなじみにくいのは承知していますが、「大切なものの価値」を再認識することが今極めて重要なことと考えております。平和がそうであるように、その有り難みや大切さを認識しなくなった時、消えてなくなってしまうように思うのです。

衆議院予算委員会も大きな混乱も無く進んでいますが、テロ等準備罪については法案提出に向けて政府・与党としてさらに周到な準備が必要なことを痛感しています。

本日の山下貴司議員の質疑も充実したものでしたが、「重大犯罪を目的とする集団が、これを謀り合意する」ことの違法性につき、私としてもう少し深く学びたいと思いますし、これだけで十分足りるのかについても議論が必要です。検察官出身の若狭議員や山下議員はじめ、皆さんの見識に学びたいと思います。

トランプ新政権が始動し、本日マティス国防長官が来日します。

尖閣に日米安保が適用されることが確認されるのではないかなどと楽観的な予想が多いのですが、日米安保はあくまで「日本の施政下にある地域」に適用されるのであって、「主権下にある地域」ではありませんし、某国が軍事的(非軍事を装う場合も含む)に侵攻してきた際に、いきなり米国が対処するはずもなく、どのような権限と能力で対応するのか、よく詰めておかなくてはならないのは当然のことです。どこかの時点で自衛権の行使に切り替わるとするなら、防衛出動はどのように下令されるのか等々、論点は多いのです。

米国の雇用は今後どうなるのか。米国内の雇用の喪失は、新興国に奪われたというよりも、AIやロボットをはじめとする新技術によるものだとする議論がダボス会議では多く出たようですが、これらの状況もよく見ておかなくてはなりません。

今週の水月会定例勉強会は、前法務政務官で茨城1区選出の田所嘉徳(よしのり)衆議院議員による法務行政全般についての講演で、とても興味深く聞きました。期数の若い議員でも、皆さん内容が濃く、引き込まれるお話を聞かせて下さるので毎回とても楽しみです。冒頭に初代法務卿の江藤新平の話があり、不覚にもまだ読んでいない、彼の波乱激動の人生を描いた司馬遼太郎の「歳月」を読んでみたいと思ったことでした。

明日で還暦を迎えます。お祝いのメッセージをお送りくださった皆様に心より厚く御礼申し上げます。

一種複雑な感慨がありますが、多くの皆様のおかげさまでここまで生かされてきたことに素直に感謝したいと思っています。有り難うございました。

週末は4日が公明党鳥取県本部新春の集い(午前11時・鳥取市内)、智頭町智頭宿第18回雪まつり(午後1時・智頭町内)、4日と5日の他の時間は弔問やお別れの会などの日程が入っております。

長く議員を務めさせて頂いている間、本当にお世話になった方とのお別れが多くなってしまいました。しんとした気持ちにさせられているこの週末です。

皆様、お元気でお過ごしくださいませ。

政策コラム執筆者プロフィール
石破茂会長石破 茂 鳥取1区【衆議院議員】
生年月日:昭和32年2月4日
当選回数:10回
学歴:1984年3月 慶應義塾大学法学部卒業
得意な政策分野:安全保障・農林水産・地方創生