石破茂会長石破 茂 です。

8日水曜日の水月会勉強会は、元日本大学教授の百地章氏をお招きして、天皇陛下のご生前ご譲位についてのお考えをお聞きしました。天皇陛下や皇室に対する篤い尊崇の念や深い考察に基づく同教授の見解に賛同するところが多く、とても勉強になりました。

同教授は、昨年のNHKの天皇陛下がご譲位の意思を示されたとしたスクープ報道の際には、よもや皇室典範を改正しなくてはならないような譲位などを望まれるはずもなく、ご公務が出来ないのであれば摂政を置くべきだと考えて「敢えて譲位に反対する」との論を発表されたのですが、8月8日の陛下の「おことば」を聞いてその考えが変わったと率直に述べられました。

その上で、新たに「退位制」を採用するためには皇室典範第4条を改正し、第2項に「前項に拘らず、天皇は退位することができる」旨の条文を書き加える必要があるし、それが筋かもしれない、と述べながらも、たとえ「超高齢化社会の到来」を前に例外的な「退位」を認めるとしても、果たして遠い将来にまで拘束力を持たせてしまってよいのか躊躇せざるを得ず、皇室典範の改正となればもう少し時間をかけて慎重に対処すべきであり、今回は特別措置法で対処すべきとの考えを示されました。

この「皇室典範に関する特別措置法」の書き方次第ですが、ここに「今上陛下一代限り」にするか否かについてはさらに議論の余地があるものと考えます。突き詰めれば論点はこの一点に絞られるのであり、これはどちらが正しいとか間違っているという問題ではなく、「国民統合の象徴」としての天皇陛下の在り方をそれぞれがどう考えるかに帰着するものと思います。

コメント欄にも多くのご意見をお寄せいただきましたし、いくつかのご考察、ご意見からは、私の意図が上手く伝えられていない部分があることにも気付かされました。自分の考えを述べ、それに対する批判に謙虚に耳を傾け、過ちを正しながらより精緻なものに昇華させていく。議論とはすべからくそういうものだと思います。いつも深い示唆を与えて下さる方々にも心より感謝致しております。

今週は予算委員会にずっと座っていたのですが、法相、防衛相に対する厳しい質疑が続きました。

両大臣とも高い資質を持った方ですので(別にお世辞ではなく、今までのお付き合いを通じてそのように思っています)、サポート体制を更に高めていかなくてはなりません。大臣を守るという意味ではなく、国民に伝えるべきことが正確に伝わるような努力を政府・与党全体としてもっとしなくてはならないと思っています。

今週は朝から夕方まで、ほとんどの時間予算委員会で審議を聴いておりましたため、雑駁な記述になってしまいましたことをお詫びいたします。

週末は、本日10日金曜日は、予算委員会が開かれておりませんため長崎県に出張し、長崎県西海市や長崎市内での研修会で講演しております。

11日土曜日(建国記念の日)は聖神社建国紀元祭(午前10時・聖神社)、盤山会(親族の集まり)総会(午前11時半・鳥取市内)、「時事放談」収録(午後10時・TBS)。

12日日曜日は「時事放談」出演(午前6時・TBS系列・収録)、自民党大阪府連青年局との昼食懇談会(正午・天王寺都ホテル・大阪市阿倍野区)、自民党大阪府連青年局講演会(午後1時・同)、という日程です。

以前からお読みいただいている方はご存知のことと思いますが、紀元祭で斉唱する「紀元節の歌」はとても清々しく、温かい気持ちにさせられる佳曲です。

先週からずっと風邪が治らず相当辛い一週間でしたが、ようやく回復しつつあるようです。

解熱剤や咳止めなど薬による対症療法にばかり頼ることなく、休みが一日でも取れればもっと早く治るのでしょうが、なかなかそうもいきません。皆様、ご自愛の上ご健勝にてお過ごしくださいませ。

政策コラム執筆者プロフィール
石破茂会長石破 茂 鳥取1区【衆議院議員】
生年月日:昭和32年2月4日
当選回数:10回
学歴:1984年3月 慶應義塾大学法学部卒業
得意な政策分野:安全保障・農林水産・地方創生