石破茂会長石破 茂 です。

昨日の防衛大臣辞任報道以来、永田町は騒然とした雰囲気ですが、私自身は「蓋棺事定」という言葉を旨としなければならないのではないかと思います。人の評価はその人が亡くなってからはじめて定まるということなのではないか。そう思い定めてしまうと、様々な罵詈雑言や誹謗中傷もあまり気にならなくなるような感じも致します。

防衛大臣について言えば、我々政治に携わる者は、制服自衛官たちを主体とする自衛隊員やそれを支えている家族の気持ちを常に考えなくてはならないという思いがあります。国民から選んでいただいた政治家が統制の主体として文民統制を実効あらしめるためには、「ことに臨んでは危険を顧みず、身をもって職務の完遂に努め、もって国民の負託に応える」という服務の宣誓に従って、昼夜を分かたず懸命に職務に精励している隊員や家族に政治がどのように映っているのか、を常に心すべきであろうと私は信じております。

代表が辞任を表明した民進党においては代表選が行われることになり、恐らく解党含みで今後推移することになるものと思われます。憲法・外交・安保・社会保障・財政金融など各般にわたって政策論争が展開されることを望みます。あまり期待してはいけないのかも知れませんが、その結果解党となるのなら、今後の日本政治にとって望ましい一歩となりうるものと思います。

私たちが当選一・二回生の頃、リクルート事件の嵐が吹き荒れ、国民の政治不信は頂点に達していました。一致団結を唱える執行部に対して我々若手議員は異を唱えて発言・行動したものですが、その都度跳ね返され、無力感に苛まれたことをよく覚えています。

悄然として党本部5階にあった政治改革本部に行くと、伊東正義本部長と後藤田正晴本部長代理、羽田孜選挙制度調査会長が陣取っておられ、「これぐらいのことで怯んでどうする!お前たち若い者が新しい自民党を創って国民の信頼をもう一度取り戻すんだ!」と叱られたものでした。

竹下総理が辞意を表明されて後継総裁選びとなった時、伊東先生に「先生が総裁となって党を救ってください」と懇願したのですが、峻拒なさいました。その時先生が発せられた「表紙だけ代えても駄目だ」という台詞はあまりにも有名ですが、「小手先で誤魔化すことなく党そのものを変えよ」という厳しいお言葉に一同粛然としたことでした。

あれから28年、構図は異なるものの、自民党が危機に直面している今、「蓋棺事定」を胸に自分の果たすべき責任を果たしたいと思っています。

週末は、29日土曜日が「富山県 石破茂を護る会」で講演(午前11時・ア・ミュー・ホール・富山県南砺市)、自民党朝日町支部講演会で講演(午後2時・アゼリアホール・富山県下新川郡朝日町)。

30日日曜日は「山下たかし衆議院議員を激励する会」にて講演とその後の懇親会(午前11時・岡山プラザホテル・岡山市)、八頭町議有志との懇談会(午後3時半・八頭町)、八頭町きらめき祭り(午後4時半・郡家運動場)、高城祭(午後6時半・倉吉市立高城小学校)という日程です。

先週末から鳥取→津→東京→新潟→東京→福井という移動の多い日程が続き、酷暑も加わって体調はあまり芳しくありません。今日はこれから札幌まで参りますが、何とか乗り切りたいものと思っております。

皆様、ご健勝にてお過ごしくださいませ。

政策コラム執筆者プロフィール
石破茂会長石破 茂 鳥取1区【衆議院議員】
生年月日:昭和32年2月4日
当選回数:10回
学歴:1979年3月 慶應義塾大学法学部卒業
得意な政策分野:安全保障・農林水産・地方創生