石破 茂 です。
「ダイヤモンド・プリンセス」号は横浜港に接岸はしているものの、船籍は英国で船内は英国領と同じ扱い、運航会社は米国、という法的には極めて複雑な状態にあります。各種権限の行使について整理を一度しておかなければなりません。知見がおありの方は是非ご教示ください。
接岸当初、私は「最大限の配慮をしたうえで、乗客と乗組員の方は14日間は船内に留まって頂かなくてはならないのではないか」と考え、テレビでもそう申し上げました。しかし、高齢の方や持病をお持ちの方が狭い客室内に長期留まれば相当に免疫力は低下していたはずで、その点にもっと配慮が必要であったと反省しております。知識が十分でないままに発言することは控えなくてはなりませんし、政府として可能な限りの対応をしているものと思いますが、不断の検証は常に必要です。
青少年育成団体が中国へ送った支援物資の箱に「山川異域 風月同天」と記したことは素晴らしいと思います。中国全土からの入国を拒否すべき時期にも来ていると思いますが、この精神は持ち続けたいものです。
東京高検検事長の定年延長にはやはり釈然としないものがあります。解釈変更を行政府が行うのは当然だ、集団的自衛権でもそうだったのではないかとの意見が一部にあるようですが、それは違うと思います。
「集団的自衛権行使不可」は憲法上の要請ではなくあくまで政策判断だったというのが私の考えですが、従来の「必要最小限度論」に立ったうえで「必要最小限度」の範囲が変わった、と解することも可能です。ただし、時の内閣の恣意的判断で解釈が変わってしまえば法的安定性を著しく損なうため、「安全保障基本法」的な法律を制定する必要がある、というのが政権復帰時の自民党の考え方でした(現政権における平和安全法制)。
翻って、日本国憲法における「国民主権」「平和主義」「基本的人権の尊重」の三大原則が改正不可であるように、検察庁法における「検察官同一体の原則」は国家訴追主義とも関連するもので、そもそも解釈変更の余地はないのではないか。仮に一般法である国家公務員法に拠るとしても、東京高検検事長の定年を延長する「特別の理由」とは何か、政府には説明する義務があると考えます。
今回の解釈の変更の合議については人事院内の決済も取らず、文書に日付も付されていないという杜撰ぶりで、行政の常識とも大きく乖離しています。政府内でよく調整をしなければ、国会の議論が混乱するばかりです。
なお、最近の政府答弁で「いずれにせよ」「まさしく」「まさに」という言葉が多用されていますが、これらの言葉が使われるときは論理の飛躍や混濁がある場合があり、やや気になっています。
さる11日、野球評論家の野村克也氏が急逝されました。平成22年、自民党が下野して最初の党大会には東京都知事にも経団連会長にも出席をお断りされてしまったのですが、来賓として野村氏にご出席頂き、メインスピーチをお願い致しました。「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という野村氏定番のスピーチはあの頃の自民党に最も相応しいもので、党大会を企画立案した政調会長として深く感謝したことでした。御霊の安らかならんことを心よりお祈り申し上げます。
週末は、22日土曜日が名古屋での結婚披露宴に出席(午後4時・名古屋市内)、「オールねこ感謝祭」出演(BSテレ東・19時~・収録)。
23日日曜日は大阪府地方議員との懇談会で講演(午後5時・大阪市内)、鹿田松男大阪府議後援会新年会(午後6時半・同)という日程です。
2が重なる2月22日は「猫と一緒に暮らせる幸せに感謝し、猫と共にこの喜びをかみしめる記念日」なのだそうです(「にゃんにゃんにゃん」の語呂合わせ。1987年に愛猫家の学者や文化人で構成される「ネコの日実行委員会」が制定)。世の中様々な団体や記念日があるものですね。BSテレ東の番組はどのような構成になっているのか、全く予想が不可能ですが、恐らく相当に面白おかしいものになっていると思われます。新型コロナウイルスの問題が顕在化する前の収録ですので、どうかご寛容くださいませ。
新型コロナウイルスの影響で、全国各地で各種の集会が延期・中止されています。そのため今週末出席を予定していたいくつかの日程が無くなりましたため、空白時間のある週末となりました。この時間は外出を控え、溜まってしまった書類の整理や、読まないままに山と積まれている文献の通読、来週の講演やテレビ出演の準備などに充てたいと思っております。
来週は2月も最終週となります。全国各地で梅が開花し、桜も異様に早い開花が予想されています。異常気象は台風や猛暑だけではありませんので、早めに今後の対応を考えておかなければなりません。
皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。
生年月日:昭和32年2月4日
当選回数:11回
学歴:1979年3月 慶應義塾大学法学部卒業
得意な政策分野:安全保障・農林水産・地方創生
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