石破 茂 です。
今週も多くのご叱正やご意見、ご提案を頂き誠に有り難うございました。地元に帰ることもままならず、地方から上京される方もほとんどおられなくなり、直接お会いしてお話を伺える機会が激減している状態が続いていますだけに、このようなご意見が伺えることはこの上なく貴重です。すべてに目を通し、可能な限り対応しておりますので、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
前回の本ブログの末尾に、今週14日月曜日が締め切りとなっていた自民党本部への提案を掲載し、様々なご意見を頂きましたが、党本部はこれをどのように取りまとめて分析し、政策の糧としたのか現時点では判然としていません。ほとんどの党の会議が開催されない現状にあって、400人近い党所属議員のどれほどが意見を提出し、誰がどのような意見を述べたかを明らかにしなくては、党員や国民に対する責任を果たしたことになりません。「出さなくても構わない」「出してもどうせ反映されない」ということであれば、確実にモチベーションは下がってしまいます。
マスコミ諸兄姉にも、これを採り上げるようにお願いしているのですが、私の知る限りこれが記事として掲載されたとは寡聞にして聞いていません。それをしないままで「自民党にはコロナに立ち向かう真剣さが足りない」「意見を言う議員がいない」「議員の質の低下が著しい」などと言うべきではありません。「ポスト安倍」のどうでもいい観測記事を書いている暇があるのなら、テレビや雑誌などのメディアに華々しく登場しなくても地道に努力している議員たちの姿をもっと報道してもらいたい。少なくとも、それぞれの選挙区には与野党問わず選出議員の姿を伝えて頂きたい。
緊急事態の宣言を全国に広げることと、国民全てに一律10万円給付することへの変更が重なって、議論は相当な混乱状態となっています。緊急事態の宣言を全国に拡大したので、一世帯30万円の給付から一人10万円の所得制限のない給付に変更する、というのは論理的に若干の飛躍があり、あまりご納得をいただける論旨とは言えないのではないでしょうか。
当面早急に為すべきと考えることは以下の通りです。
① 特に連休中の移動制限等の措置を徹底し、急速な感染拡大を阻止する。
② 感染拡大のカーブを出来るだけや緩やかなものとして重症患者の急増による医療崩壊を回避し、治療を徹底するとともに、ワクチンや対応薬開発までの時間を可能な限り稼ぐ。
③ 医療現場に対し、マスク、防護服、ガウンなどの資材を政府が責任をもって確保し、優先的に行き渡らせるとともに、関係者の宿泊先を確保する。宿泊費は国の負担とする。
④ 抗体検査を早急に拡大させるとともに、PCR検査は広く民間委託に任せ、行政機関であって臨床医学の場ではない保健所の関与を極力排除し、保健所の負担も軽減させる。どの地域で感染が拡大しているのか、感染者数と死亡者数のみでは把握が困難であり、抗体検査とPCRを組み合わせたサンプル調査を都道府県ごとに早急に実施する。
⑤ 感染症の専門家のみならず、公衆衛生学の見地を重視した対応組織を立ち上げる。自己完結型の独立した組織であるべきだが、形だけアメリカのCDCを模倣することなく、我が国において最も機能する形を考える。
⑥ 国民すべてに10万円支給するための手法(個人的にはマイナンバーの活用が望ましいと考える)を早急に確立し、第一次補正予算において実施する。
⑦ 二次補正も含め、需要・供給・雇用・金融システムのすべてが危機に瀕する危険性のある「有事」であるとの認識の下、経済対策は政府の直接支出である「真水」を中心とするGDP比20%程度の規模が必要と考える。
当然、他にも為すべきことは多くあり、是非とも皆様からのご提案・ご指摘を頂きますようお願い致します。
ここ数日の動きを見ていると、混迷・混乱の度が高まっているように思えて心配になります。選挙や政局をあまりに意識すると、必ず政策を誤ります。国民はよく見ているのであって、そこを決して軽視してはなりません。
韓国の総選挙は与党が大勝する結果となりました。民族統一を一貫して指向し、ミサイルと核開発を続ける北朝鮮との融和は一層進むものと思われ、これを踏まえてアメリカ、中国、ロシアがどのような冷徹かつ戦略的な対応をするのか、あらゆるケースを想定しておかねばなりません。新型コロナ感染者が艦内で発生したことでアメリカ空母が南シナ海を中心とする海域から離脱したこともとても気がかりです。
2009年の東宝映画「感染列島」は、ディテールにはいくつかの気掛かりな点があるものの、まるで今日を予見したかのような内容で、恐ろしい作品ですがよろしければご覧くださいませ。1980年の映画「復活の日」もウイルス感染を描いたものとして一見の価値があります。
今週末も在京の日程となりました。今週も各種メディアの出演や取材等で存外に慌ただしく過ごすこととなりましたが、Webによる会議や電話取材など新しい取組も増えております。外出もままならず、ご自宅で時を過ごしておられる方が多いことと思います。
コロナ後の世界は間違いなく今までのものとは一変しているに違いありません。ご教導・ご教示を重ねてお願い申し上げます。
生年月日:昭和32年2月4日
当選回数:11回
学歴:1979年3月 慶應義塾大学法学部卒業
得意な政策分野:安全保障・農林水産・地方創生